「勉強しない」の対策は早ければ早いほど良い
幼児期・小学校入学初期はどんな子供もやる気に満ち溢れていて、好奇心の塊のような存在です。
しかし、本格的に勉強を始めると「つまずき」など様々な要因で勉強することが嫌いになってくることがあります。
勉強嫌いの克服は早い段階で解決しておかないと、より困難な状況に陥ってしまいます。
最初のうちはちょっとした勉強のつまづきが原因でも、学年が上になるごとに「学校での人間関係」「部活動での疲れ」・・様々な要因が増えてゆく傾向にあります(下図)。
また、時間が経てば経つほど復習しなければならない項目が増え続け、取り戻すための時間が膨大に必要となってしまいます。
にも関わらず、学校の勉強はどんどん先に進んでしまいますから、対策は1日でも早い方が良いに決まっています。
無理に勉強させようとしても効果はない
勉強せずにゲームやテレビ・YouTubeばっかり・・
勉強するように注意・叱責や強制的に勉強させるなどして、親子喧嘩になってしまい困っている方も多いかと思います。
実際、厚労省の調査(文献1)では、ゲーム・テレビ視聴が長い子供は学習時間が短いという調査結果があります。
しかし、勉強を無理強いするのは避けた方が無難です。
機嫌が悪くなるだけでなく、余計に勉強をしたくなくなるという良くありがちな結果を招いてしまうためです。
これは心理学的には「心理的リアクタンス」と呼ばれ、人が本来持っている防衛本能の一種です。
怠けているわけではなく、人間として仕方がない部分でもあることを理解しておきましょう。
例)
「自由を奪われると争いたくなる」
「禁止されると余計に気になる」
そのような心理状態で勉強をしても成果は期待できないどころか、今まで以上に勉強を嫌いになるかもしれません。
慶応大の中室氏の研究(文献2)では、「ゲーム・テレビを1時間やめさせても、学習時間は2、3分しか増加しない」という調査結果ですので、ゲームをやめさせても無意味であることが分かります。
ゲームやテレビを許容したうえで勉強する約束をさせましょう。
文献1:中室牧子,2015,学力の経済学,ディスカバートゥエンティワン,(データの出所は厚生労働省「21世紀出生児縦断調査(第12回)) 文献2:Nakamuro M.,Matsuoka R.,Inui T.,2013,More Time Spent on Television and Video Games,Less Time Spent Studying?,RIETI Discussion Paper Series,13-E-095,Research Institute of Economy,Trade and Industry.
子供の勉強は褒めて伸ばす。何をどのように褒めれば良いのか?
アメリカの研究者によって調査(文献3)されたものですが、「良い成績を取ったらご褒美」と「勉強したらご褒美」を比較したところ、「勉強したらご褒美」の方が成績が向上したという報告があります。
勉強をしたことによってご褒美をもらえる場合は、子供は勉強すれば良いだけなので、何をしたら良いか明白です。
しかも、勉強すると確実にご褒美をもらえることが分かっているのですから、勉強したくなります。
一方、成績が良かったらご褒美の場合、報酬をもらえるかは不確実です。
特に勉強ができない子供にとってはどうしたら良い成績を取れるか分からないことがほとんどですので、勉強に対するモチベーションも上がりません。
メモ:勉強の報酬は?
勉強したことに対する報酬は金銭とは限りません。
これも、アメリカの研究者によって調査されたものですが、「小学生には現金よりも同額のトロフィー」の方が効果があったそうです。
要するに、小学生であれば「良くできたねシール」的なもので良いと言うわけです。
後述しますが、タブレット教材の一部では、勉強の一単元をクリアするとバッジやキャラなどの報酬をもらえるものもあり、かなり効果があるようです。
文献3:ROLAND G. FRYER JR.,2011,Financial incentives and student achievement:Evidence from randomized trials,The Quarterly Journal of Economics,Vol126,pp1755-1798
親が家庭学習に付き添うだけでも勉強時間増加に効果がある
これも慶應大学の中室氏の調査(文献2)ですが、小学校低学年の子供に、親が勉強に対してどのように接した場合、勉強時間が増加するかを調べたものがあります。
結果は上のイラストのように、「勉強を見ている」と「勉強する時間を決めて守らせる」が勉強時間の増加に効果があることが分かりました。
そして、男児に対しては父親が「勉強を見ている」、女児に対しては母親が「勉強する時間を決めて守らせる」が最も効果があるそうです(下図)。
なお、母親が女児に対して「勉強するように言う」は逆効果で勉強時間が減少したとのことですので注意しましょう。
勉強に付き添うときの注意点
家庭学習での付き添い方には注意するポイントが2つあります。
- 必要以上に干渉しない
- 親は他のことをしない
1.必要以上に干渉しない
子供の勉強を見ていると、口を出したくなる場面が多く出現します。
ですが、こちらから口を出すのは助けを求められた時など最低限にしましょう。
また、一度にいくつもの指摘をしてしまうと子供の処理能力を超えてしまいます。
ですので、優先度を考えて重要なことから指摘していきましょう。
子供が自分でミスに気づくことも勉強では大切な事です。
2.親は他のことをしない
前述したように、子供にあまり干渉せず観察しているだけというのは実は結構つらいものがあります。
そんな時に、スマホが手元にあるとつい弄ってしまいがちです。
子供はそれを見て「真剣に見ていてくれてない」と感じてしまい、やる気を失う恐れがあります。
学習での成功体験を与え、自己効力感を養う
人間誰しも上手くいくことは楽しいと感じるものです。
これは子供の勉強でも同じことで、勉強に関して「上手くいった」「分かった」という成功体験を重ねることにより、勉強に対する感じ方が変わるはずです。
脳科学的には成功体験は脳に対する最大の報酬とされています。
では、どのように成功体験させるかですが、苦手の克服が一番効果があると思います。
嫌だから苦手なんだと思います。
なので、少し学習方法に工夫が必要です。
苦手教科の克服には「さかのぼり学習」「スモールステップ学習」「単元のつながりを重視した学習」の組み合わせが効果的です。
一言で言えば、過去のつまずきにさかのぼってステップバイステップで少しづつ学習するやりかたです。
ただし、さかのぼりは学年丸ごとさかのぼるのではなく、分からない部分に関連する部分だけを復習します。
このやり方は「無学年式」と呼ばれ、「すらら」と呼ばれる教材で実現可能です。
「すらら」について詳しくは公式サイトをご覧になるか、「すらら」は最悪になった子供の成績・学習習慣を改善するか?という記事でも解説していますのでご参照ください。
「すらら」を初めて知った方は是非見てください。苦手の克服、勉強嫌いの克服が大変得意な教材です。その効果も科学的に証明されています。下記リンクは別ウィンドウで開きます。
すらら公式サイト「すらら」に関する関連記事
子供に勉強への興味を持たせるための裏技
勉強をしたがらない子供に勉強への興味を持たせることは正直難しいですが、これをクリアしないと先に進めません。
いろいろと試行錯誤するしかないのですが、例えば新しい学習環境を与えることで興味をひくという方法もあります。
一例として、子供専用の学習スペースを確保していない場合、新しく用意するというのも考えられます。
また、学習塾に通わせることも新しい学習環境を与えることになりますが、勉強をやらない子供はほとんどが嫌がるかと思います。
嫌がる子供を学習塾に通わせても大きな効果は期待できないので、家庭学習教材を工夫する方法で興味をひく方法が考えられます。
具体的には下記の2つの方法が良いかと思います。
- 楽しそうな教材で興味をひく
- 学校の教科以外の学習分野を試す
勉強への興味をひくための方法1 楽しそうな教材で興味をひく
政府の政策により、一人一台のタブレット端末を配布されていると思いますが、学校から貸与されたタブレットは自由にはできません。
なので、学習用端末を与えるということも子供の興味をひく材料となり得ます。
自分専用のタブレットであれば、勉強以外でも色々な用途に使えますから喜ぶはずです。
なお、ペアレンタルコントロールで子供の端末を完全に親の制御下に置けば、子供専用にしても安全安心な環境を構築できます。
学習アプリ自体がゲーム形式であれば楽しく学べます。
タブレットを使った教材の多くはゲームフィケーションと呼ばれる手法を使って楽しく学習ができるように工夫されています。
要はゲーム感覚で学べるのですが、単元クリアすると新キャラを入手できたり、キャラが成長するという特典が次の勉強へのモチベーションにつながる仕組みです(前述した勉強したら報酬に該当)。
前述した「すらら」もゲームフィケーションの手法を導入しており、おすすめできます。
タブレット学習の教材の選び方
小学生向けのタブレット学習教材は【進研ゼミ小学講座】やスマイルゼミが有名ですが少し注意が必要です。
これらの教材は学校での成績が中〜上位の子供が使うのには良い教材なのですが、学習が遅れがちの子供には不適切です。
その理由は、これらの教材は学校の学習進捗に合わせたコンテンツ配信のためです。
つまり、苦手克服を目的とした教材ではないのです。
苦手克服をお考えの方は「すらら」がおすすめとなります。
いずれの教材も資料請求は無料ですから取り寄せてみてはいかがでしょうか?
勉強への興味をひくための方法2 学校の教科以外の学習分野を試す
学校で学ぶ教科に興味を示さない場合、プログラミングや考える力を養う学習で学ぶことへの好奇心を刺激してみましょう。
例えばプログラミング学習であればゲーム好きな子供の興味をそそるかもしれません。
オンラインで学べるプログラミングでは本格的なゲーム作りを楽しみながら学べます。
プログラミングを学ぶ過程で、国語・英語・算数が必要になってくるため、勉強する意味が見えてくるということがポイントです。
またこれにより、物事を自ら学ぶという姿勢が身に付きますので、学校の教科の勉強もスムーズにできるようになるかと思います。
無料体験ができますので、子供の気をひけるか試すことができます。
LITALICOワンダー
出典:LITALICOワンダー公式サイト
対象年齢:5-18歳できること |
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ゲームプログラミング・ロボットプログラミング・3Dプリンター※ ※3Dプリンターはオンラインでの体験はできません。 |
詳細は公式サイトでご確認ください。直越的には学校の勉強とは直結しませんが、自ら学ぶ姿勢を養えます。
公式サイトへのリンク
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