この記事では、
「そろばん」をオンラインで学んで効果があるのか?
そもそも「そろばん」を学ぶことに意味があるのか?
「そろばん」を学ぶなら何歳からが良いか?について、
元理系教員の観点・自身の経験・科学的な検証をした学術論文を引用して解説します。
(一応、筆者は子供の頃、珠算検定3級に合格した経験もあります。)
そろばんはオンラインの方が学習効果が高い
「読みかきそろばんくらぶ」というそろばん教室の調査では下記のような調査結果が出ています。
→オンライン教室は検定合格スピードが通学教室に比べて2.38倍早い
客寄せのためのデータじゃないの?
本当かしら?
そうとは言い切れません。
「そろばん」という習い事の特徴に原因があると私は考えます。
私自身小学3年生から3年間そろばん教室に通った経験からもそう考える根拠が2つあります。
オンラインの方が良いと考える根拠 1 周りに人がいない方が集中できる
そろばんという作業は指先の繊細な動きを要求されるため、周りに人がいない方が集中できます。
指先ほどの小さな珠を正確に弾く必要があるのですから、絶対的な集中力が必要です。
普通の教室では私語やそろばんを弾く音が気になり、集中できないこともあります。
特に自分がうまくいっていない時ほど気になるものです。
そして、自分より友達の方が早く上達してしまうと、コンプレックスになることもあります。
ようするに、オンラインで学べば周りが気にならず集中できるのです。
結果的に、効率よく学習できるためオンラインそろばんでは検定取得が早いものと推測できます。
自分のペースで着実に学べるのがオンラインそろばん教室のメリットですね!
オンラインの方が良いと考える根拠 2 「そろばん」は教わるより、演習の比率が高い。
実はそろばんは教えてもらうことが案外少ないです。
しょせんは四則演算。
最初のうちは足し算・引き算だけです。
最初にやり方を教えてもらえば後は練習あるのみ。
実際、検定の級が上がっても、計算の桁数が増え難易度が上がるのが基本です。
学校の勉強とは異なり、次々と新しいことを覚えていくといった勉強ではありません。
じゃあ、オンライン教室すらいらないんじゃない?先生不要?
いえいえ、なぜ上手くできないかを指摘してもらう必要がありますので先生は必要です。
そろばんは言ってみれば指先のスポーツまたはゲームのようなものです。
どうしても、動作に人それぞれの癖があります。
無意識のうちに誤った操作をしてしまい、同じ間違いを繰り返しがちです。
なので、先生に見てもらうことで上達が早まります。
スポーツではコーチに指導を受けた方が上達が早いですよね。
じゃあ、通学制教室に通って良く見てもらった方がいいんじゃない?
それでも良いですが、オンラインの方が利便性も高く、さらに良く見てもらえる理由もあります。
オンラインそろばん教室の方がより良い指導を受けられる理由
コロナ禍以降オンラインの習い事が一般化し、そのメリットも周知の事実となりつつあります。
オンラインの習い事のメリットを挙げるとすれば以下の4つでしょう。
親子共に時間的余裕ができて、学習時間を確保しやすくなるわね!
さまざまな教材から選べ、個別指導も多いので子供に最適な学習をさせることも可能ですよ。
オンラインそろばん教室では上記に加え、そろばん特有のメリットもあります。
オンラインそろばん教室では手元の映像を先生に見てもらいます。
なので、細かな動きも先生に見えるため的確な指導が可能となっています。
通学制の塾でも手元見てるでしょ?同じじゃないの?
確かにそうですが、手元画像だけの方が先生もそこに集中できますので効率的なのです。
通学制教室の場合、先生が歩き回り子供の手元を見て指導することになります。
先生が近づいてくると多少なりにも子供は緊張します。
また、多くの子どもがいる通学教室では一人当たりに費やす指導時間も少なくなります。
その反面、オンラインそろばん教室は4〜5人の少人数や完全個別指導の場合が多く、じっくりと見てもらえます。
今の時代だからこそ「そろばん学習」が効果的な理由
正直、そろばん自体はこの時代役に立たないのは皆さんが思っている通りです。
やっぱりプログラミングの方が役に立ちそうね・・
そろばんは脳の発達に作用し、学習能力の根本をボトムアップする効果が期待できます。
ズバリ「地頭力」を鍛えるには良いですね!
答えのない時代に突入し、詰め込み型の学校教育では限界があるのは皆さんもご存知の通りです。
今後、社会に出て必要のなる力は「地頭力」、自分で物事を考え、問題解決する力とも言えるでしょう。
この地頭力を鍛えるには右脳を鍛えると良いと一般的に言われています。
さらに、そろばんで脳を鍛えることにより、算数のみならず国語や理科の成績向上が見込めることが多くの学術論文で指摘されています。
そろばんが成績向上に良いことを示す具体的な根拠を、学術論文を引用しながら3つ解説します。
そろばんが学力向上に効果ありの根拠 1 そろばん熟達者は暗算時に右脳が働くようになる
これは有名な話なので知っている人も多いかと思います。
通常人間の脳は計算する時は左脳が使われます。
しかし、そろばんに熟達し、かつ、暗算を訓練している人は計算時に右脳が働くというものです。
右脳はイメージを司る器官で、「そろばんをイメージしながら暗算をしている」ということです。
これについては、多くの論文が脳のMRIを撮影し検証しています。例えば、池田ら(2017)によれば、
そろばん熟練者群では見取り暗算の実行時に、左脳よりも右脳の関与が 大きいことが推察されるのに対して、そろばん未経験者群では逆に左脳のより大きい関与が示唆された。そろばん熟練者の脳機能についてⅡ
池田和夫・八田武志,2017
日本教育心理学会総会発表論文集 vol.28,p876-877
ODI:https://doi.org/10.20587/pamjaep.28.0_876
右脳はイメージ力・発想力に関係しています。
アイディアを生み出すような子になれるのかしら!
そろばんが学力向上に効果ありの根拠 2 そろばんで脳のワーキングメモリが鍛えられる
脳と学習の関係を語る時によく出てくる言葉「ワーキングメモリ」は短期的な記憶力のことで、思考と行動に関与します。
ワーキングメモリと学習の関係性についてはAllowayら(2008)の書籍が有名で、その中でこのように書いています。
ワーキングメモリは、国語、算数、理科などの学習と密接に関連している。発達障害のある子供の多くがワーキングメモリに問題を抱えている。Working Memory and Learning: A Practical Guide for Teachers
著:Tracy Packiam Alloway&Dr.Susan E.Gathercole
出版:Sage Publications(London)
ワーキングメモリが知能に影響するという研究結果もあります。
そろばんとワーキングメモリの関係って?
例えば、そろばんがワーキングメモリに影響を与えているという研究成果は以下のものがあります。
海馬近傍領域と後部下頭頂小葉間で熟達者の方が有意に強かったθ帯域の機能的結合は, ワーキングメモリの中央実行系と音韻ループや視空間スケッチパッドなどのネットワークを反映すると報告されている珠算熟達者のワーキングメモリと直観の背後にある全脳の神経ネットワークの解明
今井むつみ,2017
2017年度 学術交流支援資金 研究活動報告書
難しいこと言ってるわね・・
ようするに、そろばん熟達者はワーキングメモリに関する部位の動きが活発なことを示しています。
その他に多くの論文でワーキングメモリとそろばんの関係について研究されています。
そのほとんどの研究が何らかの形でワーキングメモリとそろばん(暗算)の関係について影響を与えていると論じています。
ただし、少し注意点があります。
そろばんが脳機能に影響を与えるのは、そろばんを弾くという行為ではなく、そろばんをイメージして暗算する行為(専門的にはAMCトレーニングという)に対しての研究成果がほとんどです。
そろばんをイメージしながら暗算するのは初心者では難しく、ある程度の上達が必要です。
なので、少しだけそろばんをやっても大きな成果は得られず、数ヶ月〜年単位でのそろばん稽古が必要です。
そんなに時間がかかるなんて・・そろばんイマイチね。
訓練ですから時間はかかるものです。
けど、すぐに成果が出そうなこともありそうですよ!
そろばんが学力向上に効果ありの根拠 3 小学校低学年の算数学習に効果的
小学校低学年で算数の学習に遅れが生じると、その後取り戻してゆくのは大変な作業です。
小学校低学年で最初につまずくのは「くりあがり」「くりさがり」になるでしょう。
低学年からのそろばん指導は,十進位取りの記数法の理解や計算のプロセスがよく見えて、繰り上がり・繰り下がりの理解を深める教具として有意義であった低学年からのそろばん指導についての研究
吉田 政美,1990
日本数学教育学会誌,Vol72,p36-40
ODI:https://doi.org/10.32296/jjsme.72.6_36
そろばんでの足し算・引き算では、繰り上がり繰り下がりが目で見てわかるので理解が早まります。
私自身、小学2年生の時に算数で痛いくらいにつまずき、算数が大嫌いになってしまいました。
それを見かねた母親が近所のそろばん塾に私を通わせてくれました。
当然、算数嫌いですからイヤイヤ通いましたが、とりあえず「そろばん」ができるようになると、算数の成績も人並みになりました。
その後、高校を出るまで塾等には通いませんでしたが、さいわい国立の理系大学を卒業することができました。
そろばんはいつから始めるのが良いか?
これについては明確な科学的根拠は示されていませんが、元教育者の観点から言えば「数の概念が理解できたら、なるべく早く」が答えだと信じています。
具体的には物の数が数えられるようになった頃です。
昔ならば小学2-3年くらいが最適だったかもしれませんが、最近は幼児でも楽しくそろばんを学べる教材や教室も豊富になっているため、早ければ幼稚園でも良いかと思います。
小学生になってからだと遅いのかしら?
遅いことはありません。脳の発達は10代がピークですから。
ただ、学年が上がると学校の勉強が忙しくなるのでなるべく早めが良いかと。
ポイントは、「子供が勉強に対する苦手意識が芽生える前」に挑戦させてみることです。
もっといえば、「子供が勉強を勉強として認識する前」に開始するとより良いのかもしれません。
ようするに、子供が「そろばん稽古」を勉強ではなく遊びとして取り組めると、自然と能力が身につくというわけです。
小学生でそろばん始めるなら工夫する
あの子算数が苦手だからそろばんさせたいのよね・・
けど嫌がりそう。どうしましょう。
小学生も学年が上がるごとに宿題や要求される家庭学習の時間も増え、さらに習い事をすることを嫌がる子もいると思います。
私もそうでした。イヤイヤ習い事をしてもパフォーマンスは発揮されません。これは少しもったいない。
もし、子どもが「そろばん稽古」を「楽しい」「役立つ」と感じれば学習パフォーマンスが向上し、合わせて学校の成績も向上するでしょう。
そのためには、そろばんを始める時の「誘い方」「言い方」が大切です。算数を克服するためという目的を表面に出さずに「遊び半分でも良いからとにかく試しにそろばんをやらせてみる」のが良いでしょう。
試しにやらせるのならば、オンラインそろばん教室の無料体験でも構いません。
オンラインの無料体験ならば財布も痛まないしお手軽ね。
もし手応えがあれば、やらせるか検討すればいいだけだしね!
少し試すだけでも、算数嫌いの子に興味を持たせられるかもしれません。
そろばんの最初の稽古は一桁の足し算です。
なので、算数が苦手な子でも容易くこなせます。
さらに、一桁の足し算すら苦手な子や幼児ですら、そろばんの珠を数えれば答えは出るので目的は達成できます。
ここに勉強嫌いを克服するポイントがあります。
たとえ一桁の足し算でも、初めてそろばんを使い計算ができる、計算が簡単にできたという成功体験は自己効力感を高めます。
自己効力感とは簡単にいえば「自分はできる」「やればできる」という感覚です。
その感覚は、やがて算数や他の教科へのやる気にもつながります。
とはいえ、どんな教材も子供に合う・合わないがありますのでひとまず無料体験をさせてみてはいかがでしょうか?
そろばんの無料体験をするのであれば、冒頭で紹介したオンラインそろばん教室の「読みかきそろばんくらぶ」が最適だと思います。
ここは「よみかきそろばん」と謳っているくらいですので、そろばんだけでなく国語の学習も合わせてできるシステムになっています。
途中でご紹介した「そろばんは右脳やワーキングメモリが鍛えられ、国語等の教科の学力向上も期待できる」に合致するカリキュラムです。
けど。家にそろばんがないわ・・
いや、普通の家庭に今時そろばんなんて無いでしょうね・・
けど大丈夫ですよ!
「読みかきそろばんくらぶ」の無料体験では、そろばんがなくともタブレットかスマホに無料そろばんアプリを入れて使うこともできます。
ただしその場合、「通信用のパソコンかタブレット」と「アプリ」を動かす端末の2台が必要になります。
ちなみに、そろばんは100均(ダイソー:220円)でも手に入りますし、Amazonでも千円くらいから購入可能です。
「読みかきそろばんくらぶ」の無料体験について詳しい内容を知りたい方は下記のリンクから直接飛べますのでご利用ください。
無料体験を受けられる日程や予約状況もカレンダーで確認できます(けっこう予約埋まってます・・・)。
ものは試しですから、ぜひ無料体験してみてください。
きっと、アナタと子供に新たな発見があるはずです。
引用文献リスト
- そろばん熟練者の脳機能についてⅡ,池田和夫・八田武志,2017,日本教育心理学会総会発表論文集 vol.28,p876-877,ODI:https://doi.org/10.20587/pamjaep.28.0_876
- Working Memory and Learning: A Practical Guide for Teachers,Tracy Packiam Alloway&Dr.Susan E.Gathercole,Sage Publications(London),2008
- 珠算熟達者のワーキングメモリと直観の背後にある全脳の神経ネットワークの解明,今井むつみ,2017,2017年度 学術交流支援資金 研究活動報告書(慶應大学)
- 低学年からのそろばん指導についての研究,吉田 政美,1990,日本数学教育学会誌,Vol72,p36-40,ODI:https://doi.org/10.32296/jjsme.72.6_36
※本記事はアフィリエイト広告を含みます。よみかきそろばんくらぶはASPを介したアフィリエイト広告主です。ただし、広告主に有利になるような偏った執筆はしておりません。あくまでも元教育者、自身の体験をもとに消費者のためになるように心がけておりますので安心してください。今回の場合、無料体験がありますからご自分の目でご確認できます。